農家民泊の意義を教育的側面から考えてみました

茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の間瀬です。
地域行事のお手伝いをしていて、重いものを運んだときにぎっくり腰になってしまいました。私の一番嫌う休暇の過ごし方は、病気や怪我の治療に使うことでして、今年の夏休みはまさにそれでした(泣)。

 

さて、前回私が書いたブログ『農家民泊で東京の中学生を迎えて』で、農家民泊による体験型学習は大きな価値があるということをお伝えしましたが、具体的にどのような価値かはお伝えしていませんでした。今日はその点を考えてみます。

手始めにインターネットで調査をしてみます

世間では農家民泊に対してどのような教育的価値を見出しているのか知りたいと思いました。Googleで『農家民泊 教育』を検索してみます。

 

小中学生の体験教育旅行受け入れによる農村地域活性化 – 農林水産省』を見つけました。
2009年の論文で少々古い内容です。農家に与える経済効果や、子どもとの交流による農家が得られる感動体験などが書かれていました。
あくまでも農村側からの視点で、子どもの側に立った教育的価値とは違いました。

 

続いて、『あおもり教育旅行ガイド』を見つけました。
『学習のねらいとその効果』欄の内容をまとめると以下のとおりです。
◎農業の大切さ、食糧や食の大切さ、働くことの喜びと尊さを学ぶ。
◎青森特有の方言や食事など地域に根ざした文化を学ぶ。
◎自分自身や家族、友人のことを考え、成長するきっかけとする。
◎食料自給率の低迷や後継者問題などの農業問題や日本の農業の将来について考えるきっかけとする。

 

続いて検索ワードを変えて、『農家民泊 子どもから見た価値』で再度検索をしてみます。

 

以下のサイトを見つけました。
報告書 – 国立妙高青少年自然の家 – 独立行政法人 国立青少年教育振興機構
◎非日常の中で生まれた自信が、その後の自信になる
◎親元を離れて友人と生活する不安の中で、他者との関係を築いていく力

 

ふるさと子ども夢学校はじめの一歩マニュアル
◎ほんものの体験、その地域の人が関わることで、心が揺り動かされ、子どもたちをより良く変える

 

いずれの内容も、そのとおりだと思いました。

ある程度の情報を入手したところで自分の言葉で整理してみます

上記のような教育的価値があると分かりました。
その教育的価値を生み出している理由は何かと考えたところ

 

『新しい価値観との出会い』

 

が、子どもの心に変化をもたらしているという結論に至りました。

色々と考えを巡らせた結果、ごく当たり前の結論になりました。

友達と話をしていて異なった考えを聞くのも新しい価値観との出会いですし、テレビを見ていて外国の暮らしを知るのも新しい価値観との出会いですよね。
都会の人にとって田舎は新しい価値観の宝庫といえます。

 

田舎の暮らしが都会の暮らしとは違うこと。
農業の実態を知ること。
異なる家庭での共同生活を体験すること。

 

新しい価値観との出会いは田舎だろうと都会だろうとどこにでもあるわけですが、それらに短い期間で多く出会えるのが農家民泊なのですね。

新しい価値観との出会いから得られるもの

1.コミュニケーション力、協調性

海外留学で異なる文化に触れて人が成長するように、農家民泊は都会の人の『田舎留学』と言ってもいいように思えます。
今まで知らなかった生活を知ることは、海外の異なる文化を知ることに等しいと思います。国際化が進んでいる現代社会においては、異なる考え・宗教を持つ人と接触する機会が増えていきます。農家民泊は、将来確実に必要となるコミュニケーション力を身に付けることの第一歩ともいえるでしょう。

2.無関心を関心へ

農家民泊は地方ならではの問題を知る良い機会です。
地方には都会では知ることのできない問題があり、それは地方だけで解決できる問題ではなく、同じ日本に住む者として、都会の人にも一緒になって取り組まなければいけない問題であったりします。
地方の暮らしを知っていく中で地方への興味関心が増していき、興味関心が増すと、そこで起きている問題を、自分の問題と捉えるようになります。自分の問題と捉えると、解決しようとする気持ちも沸いてきます。結果として問題解決のための学習意欲に繋がります。
その学習意欲は子どもの成長を必ず手助けすることでしょう。

3.自分なりの幸せを見つける

みんな幸せになりたいと願っていると思いますが、モノによっては幸せの数は有限であって、例えば豪邸に住み毎日贅沢な食事をしたいという幸せを全ての人が望んだとしても、きっとそれはかなわないでしょう。
ではどうやってすべての人が幸せになれるかを考えますと、

 

『自分が幸せに感じることを見つけること』

 

ということであったり、

 

『些細なことにも幸せを感じられるようになること』

 

ではないかと思うのです。

経済的な幸福、精神的な幸福、安定した暮らし、車の保有、園芸、旅行、散歩、子どもの成長、きれいな景色、等々、多くのことに幸せを感じることができれば、限られた幸せの奪い合いに身を置く必要がなくなります。
そんな幸せ探しが、農家民泊をとおしてできるのではないでしょうか。

 

以上、おおよそ農家民泊からずいぶん飛躍した内容になってしまった気もしますが、私なりに考えた農家民泊の教育的価値でした。

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