移住コンシェルジュの木元です。
移住コンシェルジュたるもの、まずは自らあらゆる経験をする!!と心に決め、住む家も築60年の古民家の空き家にしました。
はじめは「古民家に住むなんて、楽しみすぎる~♪」と、うきうき気分だったのですが…
実際に住んでみて、古民家・空き家に住む苦労が初めて分かりました。
そのほとんどが考えてみれば当たり前な事なのですが、こういう事ってほんと住んでみないと分からないものなんですね!
今回は、私が今直面している問題についてお話したいと思います。
▼私の住む古民家
まず掃除が大変
一軒家に一人で住むので、今までのワンルームマンションに比べたら掃除が大変であろう事は予想していました。
…予想はしていたのですが
……想像以上でした!
私の住む家は4年ほど空き家だったそうですが、家の中は虫たちの楽園と化していました。
私が引っ越してくるまでに、大家さんが一人で一生懸命掃除をしてくださっていましたが、大家さんも普段お仕事をされているので、それにもやはり限界があります。
衣類や食器類、その他の荷物も、まずは家を掃除してからでないと広げられないのです。
その掃除というのも床を掃除機がけして終わりというレベルではなく、雑巾で汚れを拭き取って、天井から壁からすべての埃を払って、となるので大変です。
家の掃除が終わらないと荷ほどきできないのですが、普段仕事をしていると、なかなか掃除が進みません。
実際、引っ越してきて2ヶ月経ちますが、未だに荷ほどきできない荷物が結構あります。
そこで初めて、私が空き家を“不動産会社が持っている空き物件”と同じように考えていた事に気づきました。
入居するその日から、部屋がきれいな状態ですぐに荷ほどきをスタートできる。
今までの引越し経験では当たり前のことだったのですが、もうそこから覆されました。
庭の手入れも大変
私の住んでいる古民家には、家の建て面積の4倍近い敷地があります。
私が引っ越してきたときは、普通の草地でタンポポの花が咲いていてとっても綺麗でした。
この時も呑気に「うわぁ~♪広い庭があるって素敵!」なんて思っていたのですが…
家の中の掃除であたふたしているうちに、気付けば庭がとんでもない事になっていました。
今になって、あれだけ庭がきれいだったのは、大家さんが普段から手入れをしていて下さったからだと知りました。
これも考えれば当たり前のことなのですが、実際に経験して初めて気付きました。
▼私の体半分ほどの高さに伸びた雑草たち
庭が荒れると、色んな虫が寄ってきます。
そうすると必然的に家に入ってくる虫の数も増えてきます。
しかしこれは、私一人の問題ではないのです。
私一人が庭を荒らしてしまうことで虫が増え、それが近隣の住民のお宅にも広がってしまいます。
地方では、自宅の庭で家庭菜園をされている方が多いです。
そんな中でよそから入ってきた人が庭の管理をせず、自分の畑に虫が増えたら腹が立ちますよね。
庭が荒れると見た目だった良くありません。
自分が今まで住んできた大切な町に、よそ者が来て景観を崩す。
これでは、地域にとっても”招かれざる客”になってしまいます。
庭の管理は、地域の人との信頼関係を築くために大事な作業の一つと言えると思います。
しかし現実問題として、刈払機を持たない私が広い敷地の庭を一人で管理するのは本当に大変です。
でも、考えようによっては地域の方と仲良くなるチャンスをもらえた!とも感じています。
刈払機をお借りして、草刈りの仕方を教えていただく。
その地域での生活の仕方を教えていただく。
そうやって少しずつ信頼関係を作っていくのだと思います。
修繕費用の問題
空き家は人が住まなくなってからも、様々な理由で家主さんが所有したままの状態のことが多いです。
家主さんがその空き家に近いところに住んでいれば、頻繁に掃除や通気をしに来られますが、離れているとそれもなかなかできません。
そして家は人が住まないとどんどん傷んでいきます。
空き家を借りて住むとなった場合、これがとっても大きな問題になるんです。
▼基礎が歪み、あらゆる所に隙間が…
私の場合、協力隊員としての3年間は今の家を借りて住みますが、その後どうするかは分かりません。
3年後、引っ越す可能性もあります。
そうなると家主さんとしては、3年後再び空き家になるかもしれない家に、高額の修繕費を出すことは躊躇されます。
そして借りている私もまた然り。
ずっと住み続けるか分からないから、自分で修繕してみようかなと思っても費用面で足止めを喰らいます。
常陸大宮市では、空き家改修費補助金制度があります。
この補助金を受給するには移住奨励金制度の受給要件を満たしていないといけません。
受給要件はいくつかあるのですが、私の場合
・5年以上、継続して居住できる方
・世帯人数が2人以上
という要件を満たしていないので、補助金を受ける事はできません。
私のように単身で移住となると、ほとんどの補助金制度の受給要件に引っかかってしまい、受給できないというのが現実です。
貸す側の気持ちと借りる側の気持ち。
空き家に実際住んでみて、初めて実感しました。
今回は、私が実際に経験して気付いたことを書き並べてみました。
問題点を見つけたら、その解決策を提案するのが私の仕事です。
今度は、それを解決するためにどうしたらいいか、私なりに感じた事を(まだまだ解決策とまではいきませんが)書いてみようと思います。