こんにちは!移住コンシェルジュの木元です。
もうすっかり秋ですね。巨峰に梨に栗にかぼちゃに、秋は私の大好きな食べ物がいっぱいです♪
常陸大宮では道端に栗がたくさん落ちているのですが、あれは採って食べてもいいものなのでしょうか?
食べてみたいなぁ~といつも気になっています。
さて、私が田舎暮らしに憧れた一つに、自然を暮らしに取り入れた生活をしたいというのがあります。
農業がその最たる例ですが、梅が実を付けたら梅干にする、竹を切り出して竹かごを編むなど、ここで身に付けたい技術がいっぱいあります。
そのうちの一つに柿渋があったのですが、なんと私の庭には柿の木が2本もありたくさんの実を付けてくれました。
これはもうやるしかない!ということで、柿渋づくりをすることにしました~♪
柿渋とは
渋柿の未熟な果実を砕いて搾り、得られた汁を発酵・熟成させて得られる液体のことです。
渋柿の渋みはカキタンニンという成分によるものなのですが、このカキタンニンには強い防腐効果・防水効果があるため、日本では古くから柿渋を作って様々なものに利用していました。
・タンニンって?
タンニンとは植物由来の成分で、大抵の植物はタンニンを含んでいます。
タンニンの特性として、防腐効果・防水効果が挙げられます。
特にカキタンニンは高分子なので他の植物よりこれらの特性を強く示します。
・何に使われていたのか?
漁網
ナイロン製の網が登場するまで、漁網は麻や綿の糸で作られていた。そこで網を長持ちさせるため、柿渋で網染めをしていた。
漆器
漆を塗る際の下地造りの技法の一つとして柿渋を利用。本格的な漆下地より安価であるため、漆の代用として使われた。
木製容器(食器など)
コーティング剤として柿渋を使用。
衣類
防水・防腐効果で衣服を長持ちさせるために、柿渋染めをしていた。かつては染色ではなく布の補強が目的だったが、現在は伝統的な技法として専ら染色が目的。
和紙
紙の強度を上げるために使用。柿渋を施した紙は「渋紙」と呼ばれ、包み紙や風呂敷、合羽、染物の型紙に使われていた。
葛籠(つづら)
竹で編んだ籠に和紙を貼り、柿渋を塗って箱にしたもの。(日本昔ばなしの舌きりすずめに出てくるやつですね!)
建築塗料・醤油のしぼり袋・養蚕用具の補強・酒の清澄剤・民間療法など様々なものに使われ、日本人の暮らしには欠かせないものだったようです。
実際に作ってみた
①まだ熟していない青い柿を取ります。
柿には甘柿と渋柿があるのですが、渋柿を使います。
そうは言っても私の家の庭にある柿がどっちかなんて分かりません。
品種が分かっていればインターネットで調べる事ができますが、分からない場合は以下のポイントで見分けるそうです。
POINT 甘柿・渋柿の見分け方
1、動物が食べているか
2、実を切ってみて断面に黒い斑点があるかどうか
3、実際に食べてみる(!!)
なるほど。我が家の柿はどうでしょう。
柿の採集時期は8月下旬から9月上旬が最適なんだそうですが、今はもう9月下旬。
だいぶ色付いた柿が多くなっています。
お、落ちてる柿を発見!
見事に動物が食べていますね~。
黒い斑点も見当たりません。
これはかなりの確率で甘柿ですね(汗)
とりあえず柿を取ります。
住民の方からお借りした高枝切りバサミ♪
一番伸ばすと2.5mになります。
これを使って一人で黙々と柿採りすること40分。
70個近く収穫することが出来ました。
②これらを水で洗って表面の汚れを落とします。
私が今回やったのはここまでです。
③この後、柿を叩き割って細かくなるまで潰します。
サイトによってはさらにミキサーを使って細かくすると説明されていましたが、私はミキサーを持っていないので叩いて細かくしようと思います。
④粉砕した柿に水を加えます。
水の量は柿を覆うくらいのひたひたの量です。
⑤加水したら蓋をして2~3日寝かせます。
直射日光の当たらない場所に保管し、その間1日に数回上下を入れ換えるように混ぜます。
⑥実をすくい、木綿の手ぬぐいなどで搾ります。
どうやらとてつもなく臭くなるそうなので、ゴム手袋をしてを作業をすることをお勧めします。
手ぬぐいなどに包んで搾るのですが、水分だけでなく渋も出るように強く搾ります。
⑦搾り汁を2~3年発酵させる。
異物が入らないように蓋はしますが、発酵するので密閉はしないようにします。
完成したらやってみたいこと
柿渋の用途は先ほどご紹介したように、昔の暮らしでは活躍する場面がたくさんありましたが、現代の暮らしでは使う場面はあまりなさそうですよね。
確かに普通に生活するうえでは必要ないのですが、実は柿渋を作ったらやってみたいことがあるんです!
それは木材のエイジング!
出典:ヒルネ版画工房
いつかは家具のDIYもできるようになりたいと思っている私。
その時にクオリティーを大きく左右するのが木材の質感です。
ネットですでにエイジングされた木材も売っているのですが、なかなかのお値段がします。
なので庭にある柿で柿渋を作り、木材を染色できたら良いなと思ったんです♪
また私の知人がレザークラフトをしているので、革をなめす時に使う柿渋をおすそ分けできるなぁとか、今回高枝切りバサミを貸してくださった方が陶芸家さんで「陶芸で柿渋を使いたいので出来上がったら分けてね♪」とおっしゃっていたので、柿渋を通して色んな人のお役にも立てそうです。
▼柿渋を釉薬に使った陶器
出典:有本空玄の陶芸ひとり言
自然を暮らしに取り入れると、ちょっぴり暮らしが豊かになる感じが柿渋を通して体験できそうです。