家を建てられるようになりたい!

移住コンシェルジュの木元です。

地域おこし協力隊に就任して1年が経とうとしています。

この1年は地域行事のお手伝いや、市役所の窓口にいらっしゃる移住相談者とお試し住宅利用者の対応が主な活動でしたが、移住を考えている人にもっと違うアプローチが出来ないか考えるようになりました。

移住相談に来た人が移住につながらない主な原因は物件です。

しかし移住したいと思っていても、仕事(お金)の問題で相談へ行く前から諦めている人もたくさんいると思います。

過去の私もそうでした。

だから物件や仕事を紹介する移住相談対応だけではなく、今後は移住を不可能にしている障害を取り除くために私自身が移住者として暮らしを作る実践をしようと決めました。

暮らしを作るというと抽象的で伝わりづらいですが、ようは現在の収入が無くなってもこの地で生きていけるように、自分の生活に関わるものはできるだけ自分で作り出すことです。

家庭菜園で野菜を育てて鶏を飼えば、ある程度の食は自給できます。

DIYや家の修復の技術を身に付ければ、低コストで住む家をつくることができます。

また昔ながらの知恵を学び食品の発酵や保存加工ができるようになれば、買い物に行かなくても豊かな食生活を送れます。

暖房に薪を利用すれば燃料費も削減できるし、太陽光発電や雨水利用などの技術を学べば光熱費だって削減できます。

そして究極は自分の好きな事を仕事にできれば、これまで仕事のために縛られていた莫大な時間を得られ、その分をさらに自給のため=自分の暮らしをつくるために費やせるようになります。

私はこれを常陸大宮の人の力、土地の資源、文化を活かして一つずつ実践していきたいです。

そして実践したことを発信して、田舎で暮らすことに興味がある人が常陸大宮に来てくれるきっかけを作っていけたらと思います。

 

ということで、今回はいつもお世話になっている農家の佐藤さんがセルフビルドで納屋を建てていると聞いたので、早速行って色々と教えてもらいました。

素人の私に教えてくれた建築の仕組み

行ってみると、骨組みが完成して壁が付けられ始めているところでした。

今回は骨組みの作り方を教わります。

一番初めにやる事は基礎をつくること。

地面に傾斜があれば、盛り土をする、コンクリートを流し込む、ブロックを組むなどして高低差をなくします。

たとえ地面が水平であっても、そこに直接木造建物を建てると通気性が悪く木が傷んでしまうので、地面と離す意味でも基礎は重要です。

今回は人が住むわけではないので、大きくて形が良い石を利用して簡単に高さを揃えていました。

こうして基礎を作ったら、次は床を作ります。

まずは外枠の四角形を作り、枠内に数本、縦に(四角形の短い辺に平行に)柱を渡します。

この縦に渡す柱の間隔は、床板となるコンパネの幅に合わせることが重要です!

私ならうっかりやってしまいそうですが、この間隔をコンパネに合わせないとコンパネの端が柱のないところに来てしまって床がブカブカになってしまいます。

さて、床の骨組みが出来たら柱を立てていきます。

正式な柱の立て方は、床の骨組みに穴をあけ、立てる柱に凸を作ってパズルのようにはめる「ほぞ」というやり方なのだそうですが、今回は簡略化して床の骨組みに柱を挟む形で建てます。

ほぞ接ぎで柱を立てる場合、床の骨組みに柱を上からはめるようにして立てる。
ほぞの構造はこんな感じ。
今回はこのように、骨組みに柱を挟んで立てる。

立てた柱の間には、強度を増すために筋交い(斜めに木を渡す)を付けます。

こうして骨組みが完成します。

この床、柱、梁の骨組みの木材はすべて廃材を使っているそうです。

佐藤さんのご実家が大工さんなので、解体をした際に出た廃材を捨てずに有効活用しています。

廃材を利用すれば、かなりのコスト削減になります。

しかし廃材には写真のように釘などが付いていることが多く、形も不揃いなため、お金がかからない分手間がかかります。

ペンキ塗りをお手伝い

さて、続いては屋根となるトタンにペンキを塗っていきます。

トタンも豚舎を解体しているところを見かけた佐藤さんが、手伝いをしてもらってきた物です。

見かけた解体現場へ飛び込んでいって手伝い、必要な物を手に入れる。

すごい行動力です!

ペンキ塗りはまず、トタンの汚れを落とし、そこにうすめ液で薄めたペンキを塗っていきます。

この日は天気も良くて綺麗な緑色がよく映えます。

こうやって青空の下でみんなで作業をするって、とても気持ちがいいですね♪

自分にとって生きた知識にする

こうして教えてもらった事を、話を聞いただけで終わらせてしまっては生きた知識になりません。

では今回教えて頂いた事を生きた知識にするには、どういうステップがあるか考えてみました。

もちろん一度話を聞いたからと言って、佐藤さんのように小屋を建てるのは無理です。

まずはもっと詳しい内容について知る必要がありそうです。

そんな私に佐藤さんが面白い本を勧めてくれました。

小笠原昌憲(2001)『100万円の家づくり 自分でつくる木の棲み家』自然食通信社

中を見てみると、技術的な解説が詳しく書いてあって勉強し甲斐がありそう。

そしてネットで調べてみると、20分の1で模型を作るといいそうです。

そうすると実際に一通りの建築を体験できるので、かなり勉強になるみたいです。

これは是非やってみたい!!

 

ということで、今回は家を自給できるようになるためにどうしたらいいか全く分からない状況からの第一歩のお話でした。

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