茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の間瀬です。
常陸大宮市に来て9ヶ月ほど経ちました。
地方の生活や現状、そこで暮らしている人たちの話を聞いているうちに、『私の地域おこし』の全体像がぼんやりと見えてきた気がします。
旅行客が倍増する観光開発や、画期的な商品開発というような案はどうも思い浮かびません。
即効性のある地域おこしは珍しい事例であり、ごく日常のことを少しずつ発展させていく必要があるという結論に達しました。
5つの段階
まず地域おこしを5つの段階に分け、順番に段階を進めていこうと思います。
第1段階:認知
第2段階:物を媒介とした繋がり
第3段階:短期滞在
第4段階:中長期滞在
第5段階:移住
具体的な行動は以下のようになります。
第1段階:ちらし、ポスター、アンテナショップ、WEBサイト
第2段階:道の駅、アンテナショップ、商品の販売と購入(店頭・宅配等)
第3段階:日帰り体験、収穫体験、オーナー畑
第4段階:農林漁業体験の民泊、滞在型旅行
第5段階:住宅、仕事の提供
最終的な目的を『第5段階:移住』とし、それを達成するための道順を『第1~4段階』に仮定します。
第1段階:認知
その土地を知ってもらい、興味や関心を持ってもらいます。まずはそこから。
テレビで放映されること、旅行のツアーで通過してもらうこと、とにかく人の記憶に残していくことを最初の段階とします。
第2段階:物を媒介とした繋がり
人々が意識をしていなくても、都会と地方は繋がっています。
都会の人が毎日食べているものは都会以外で生産されたもので、地方からの食料の供給を失っては都会の人は生きていけません。
この事実は都会と田舎は繋がりを持てるチャンスを持っているということに思えます。食べ物でも日用品でも良いので、ごく日常で常陸大宮の皆様が作っている物の購買を通して心理的な距離がぐっと縮めたい。
[第1段階:認知]の次の段階として、物を作り買っていただく行動を進めたいと思います。
第3段階:短期滞在
[第2段階:物を媒介とした繋がり]によって、都会の人には少しずつ意識の変化が起きます。日々お世話になっていると実感し始めたら、より深い興味がわいてくるのが人というものです。人によっては実際に訪れたいと思うでしょうし、その土地を応援したいと思うはずです。そういった地域への良い感情が生まれたときが、継続的な関係を構築する下地ができ始めたときであり、オーナー畑や収穫体験という事業を始める絶好の機会だと思います。
第4段階:中長期滞在
[第3段階:短期滞在]で地域との一体感を感じた人は、さらに上の段階である宿泊を伴う滞在にシフトしていくものと思われます。夏休みの期間を使って子どもの教育旅行に行かせたいと考える親も出てくるでしょうし、自身の長期休暇の滞在先に選ぶかもしれません。
一過性ではなく、毎年決まった時期に滞在する常連様になるかもしれません。
災害のときなどにお互いを心配するような関係になるかもしれません。
常陸大宮市で実施している農家民泊はこの第4段階に位置しており、レベルの高い交流事業を行っているといえます。
第5段階:移住
そして最終的な目的の達成です。
物をたくさん売って、外部からのお客さんが来てくれる地域は賑やかで明るく、多くの人にとって魅力的に見えることでしょう。
地域おこしの手法は幾つもあるとは思いますが、2,3の段階を飛び越して4の段階を達成するのは難しいと私は思いました。
お客側としても宿泊のハードルは高く、受け入れる側としても宿泊サービスのハードルは高く、両者のハードルが高いと思うのです。
(知名度の高い観光地や、全国的に有名な特産品でもあれば別だと思いますけど)
というところで、この『5つの段階』という仮説が正しいのかを実証すべく、1から順番に活動していきますので、どうぞよろしくお願いします。