狩猟に出かけよう ~新人ハンタースキルアップ研修会の話 ~ ②

こんにちは。茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の松原 功(まつばら こう)がお送りします。

9月8日に茨城県が主催する「新人ハンタースキルアップ研修」に参加してきました。

 

現場のことは現場にきく

狩猟免許を取得するにあたり、猟友会が主催する”予備講習会”を受講するのが一般的です。そこでは”座学”にて、「イノシシの足跡はこんな形です」や「わなの種類はこれだけあります」など一切現場に行くことはありません。免許を取得したとしても猟師の知り合いがいなければ、狩猟の現場を見ずに猟期を終えることも話には聞いたことがあります。

それだけ、ベテラン猟師の方の現場をみる機会を持てることは貴重な経験だと思っています。やる気満々で猟友会に所属すれば話は別ですが、新人ハンターにとっては現場見学も大変勉強になります。

 

100人いれば100通りのわなのかけ方がある

わな猟において、わなを何も考えずに設置するだけでは獲物を捕らえることは難しいでしょう。各々が鳥獣の特徴を理解し、鳥獣との知恵比べが必要になります。ベテラン猟師の方々は、試行錯誤を繰り返しながらそれぞれが独自のやり方・コツを確立していきます。

くくりわな一つにしても猟師の方々はオリジナルを自作し使っています。

そしてそのやり方・コツは決して教えてくれません。目で見て盗んでいくことで自分のスキルアップにつなげるそうです。上の写真を見てもわかるように、参加者の皆さんから熱意が伝わってきます。

ただ今回は「スキルアップ研修会」とのことなので、少しばかりコツを伝授していただきました。

 

イノシシは賢い

イノシシも命がけで生きています。人間の目で見ても変化がないと思われる場所でも、イノシシにとっては少しの変化をも感じ取ることができるとのことです。

特にイノシシは嗅覚が非常に優れており、犬と同等かそれ以上ににおいに敏感になります。

人間のにおいはもちろん、わなを仕掛ける際に除去した雑草のにおいや土のにおい(地中と土表面のにおいは違いらしい)なども感じ取り、少しでもおかしいと思うともうその場所での警戒心は最高潮になるそうです。そうなると簡単には捕獲することはできません。

上の1枚目の写真では地面とズボンの間にビニール袋を敷いています。これをすることで地面への人間のにおい移りを軽減させるそうです。

余すところなく

研修会の最後はイノシシ解体セミナーです。

捕獲したならば美味しくいただき、皮も(できれば骨も)利用したいものです。

解体に関しては数名目を背ける参加者もいましたが、狩猟をやる上で避けては通れません。

ただ解体作業を目の当たりにして毎回思うのが、”ひとりでは大変だな”ということです。少なくても2名体制で解体作業を行うのが良いのではないかと思っています。いざというときはひとりでも捌けるスキルは必須ですが…。

狩猟に向けた取り組み

新人ハンター研修は非常に勉強になり、また茨城県のハンター獲得に向けた熱意が伝わりました。

全国的にみても狩猟免許を取得する方々は増加しているそうです。ただ新規免許取得者が実際に猟に出かけることができているかはわかりません。免許自体は3年ごとの更新ですが、更新せずに資格を手放す方もちらほら耳にします。

今回の研修会は免許取得者のアフターフォロー的な側面もあり、この研修会があるのとないのでは狩猟に対する熱意の継続力が変わると思います。ぜひ今後も続けていただきたい研修会だと思いました。

私自身も今後の活動の中で実際に猟に出かけ、より狩猟に参加しやすい仕組みを構築していきます。

 

 

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