茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の間瀬です。
地域おこし協力隊3年目。3年間の集大成として、今年の冬はほしいもで売上100万円を目指します。
10/23に洞窟を利用した貯蔵庫へ搬送しました。
ほしいも作りが始まる12月まで最低一か月は熟成させます。
サツマイモに熟成は必須
ご存知の方も多いと思いますが、サツマイモは時間が経つほど甘くなります。それは、でんぷんが糖化していくため。
収穫したときから糖化は始まり、糖化が止まることはありません。水分も少しずつ抜けていき糖分は凝縮されます。
そのため秋冬より春夏のサツマイモの方が甘くなります。
熟成中の管理
熱帯地域原産のサツマイモは寒さに弱い作物です。10度以下になると腐敗の可能性が高くなり、温度管理できる倉庫に入れる必要があります。
常陸大宮市の冬は寒く、空調のない倉庫ではサツマイモが腐ってしまいます。
1.6トンのサツマイモを部屋に置けるわけもなく、温度管理のできる倉庫を建てる資金もありません。
熟成に『洞窟』を利用しよう!
悩んだすえ考えたのが、金鉱山の跡地の『洞窟』を使うことでした。
常陸大宮市の山方地域では、かつて金や硯石といった鉱物が採れました。金や玉という地名があちこちにあるのはその名残でしょう。
洞窟内は夏涼しく冬暖か。一年を通して気温が一定。建設費も光熱費もかからない貯蔵庫が、実は身近にあったのです。
洞窟を使おうと決めたものの、実はなかなか条件に合う洞窟は見つかりませんでした。
入り口が崩れていたり、水が溜まっていたり、奥行きがなかったり、地権者が分からなかったり。
色々な人に聞いて回り、何とか見つかったのが今回使用する洞窟。入り口が斜面の中腹にあり、出入りが不便なのです。
不便ではありますが、ひたちなか市や東海村では洞窟に貯蔵したサツマイモはないはずです。他の地域にはないモノで作ることこそ、「常陸大宮らしい」ほしいもだと私は思います。
『洞窟』へどのように運ぶか?
洞窟にどういう方法で運ぶかは本当に悩みました。
1袋20キロのサツマイモを81袋。急な斜面を持ち運ぶのはとても無理。斜面は急で道幅も狭く運搬車は使えません。
あーでもない、こーでもないと、上から下ろすのか、下から上げるのか。荷揚げ機を買うのか。ロープウェーのように木と木をロープで結び流すのはどうか。工事予算はどれくらい用意できるか。
考えるのは頭の体操。色々な人の意見を聞くのも良いこと、多くの人が集まって相談するのも良いこと。こうやって何か目標に向かって知恵を出し合うことが私は好きです。
色々悩み採用したのが、このように滑らせて下ろす方法。
作業の姿を見た友人は、私を「クレイジーだね!」と言います。
まだまだ手で運ぶ区間があり、もっと楽に運びたいと思いました。来年はもっと改善したいです。
搬入
3日乾燥させたサツマイモを軽トラへ。さあ、いざ洞窟へ運びます!
洞窟の上はまさに天空のなんとか。
ここでほしいも干せたら、どんなに素晴らしいことでしょう(残念ながら干し場は別の場所です)。
合板を繋ぎ合わせたスロープを使い、ロープを使ってサツマイモを下ろします。
洞窟の中はこのような感じに。
かかった費用
工事費用は、杉合板8枚とトラロープで、約1万円。草刈りや設置のお手伝いの謝礼で2万円。計3万円の手作りスロープでした。
サツマイモの1620kgの運搬にかかった費用は、3人で丸1日。計24時間ほど。
去年試験的に洞窟にサツマイモを保管し、どんなに寒い日でも中は8度を下回ったことはありませんでした。きっと今年も大丈夫でしょう。
では一か月後、たっぷりとサツマイモの甘味が増した頃、またお会いしましょう!
それまでしばしのお別れです!
というところで、今日はこのへんで。