美和地域活性化の炎『森と地域の調和を考える会』

茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の間瀬です。

常陸大宮市には多くの市民団体があります。その市民団体の中の一つ『森と地域の調和を考える会』(以下、同会)さまの活動報告会に出席させていただきました。

日時は2016年5月20日15時、場所は美和工芸ふれあいセンターです。

今日はその内容を紹介します。

 

地域の活性化の究極の目的は、地域の人の幸せである

同会の代表、龍﨑眞一氏の言葉です。

なぜ地域の活性化活動をするのかというと、その先に人の幸せがあるからです。地域活性化の究極の目的は人の幸せです。人は誰しも幸せを望んでいるという、当たり前すぎて聞き流してしまうようなこの言葉に同会の本質を感じました。

たとえ多くの賃金を獲得できたとしても、過度の労働により健康を害すこともあるでしょう。望まない仕事により精神的な満足を得られないこともあるでしょう。その姿は決して幸せとは言えません。

地域経済を活性化させて経済的・物質的に豊かになり、そして精神的にも豊かになるという同会の考え方を感じた言葉でした。

 

価値のないものから700万円の経済効果を生んだ

美和地域では、間伐や森林整備の段階で発生し山に放置される林地残材(価値の低い材)を持ち込むと、地域内の商店で使用できる地域通貨券(通称、モリ券)と交換できます。持ち込まれた木材は加工したのち販売され、ここでも流通が生まれます。商店の売り上げは伸び、木材の流通ルートができました。木材の地域内循環による経済効果が生まれています。

それまでは放置されていて価値のなかったものから四年間で700万円の価値を生みだしたという報告でした。

『無から有を生む』

心地良いフレーズですね。

 

彼の才能に出会えたことが嬉しい

美和には中世の町並みを感じさせる高部(たかぶ)という地区があります。

高部地区の地域活性化活動にあたって、戦国時代の山城高部館の様子を再現したイメージ図が高部のパンフレットに描かれています。そのイメージ図を描いたのが同会の河西和文氏です。そのイメージ図に関する龍﨑眞一氏の言葉が印象的でした。

『私たちが活動をしなければ、河西氏がこれだけ素晴らしい絵を描けることを知る機会は訪れませんでした。多くの人が彼の才能を知ることができ、彼自身も自分の才能を多くの人に知ってもらえました。そしてパンフレットにも使われました。活動をとおして人の幸せが生まれたことが嬉しいです』

先におっしゃっていた『人の幸せ』とはまさにこういう出来事に出会えたことを言うのでしょう。

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↑高部のパンフレット表紙

 

美和地域活性化の炎

同会は上記以外にもツアーイベントや美和木工コンテストなど多くの活動を行っており、今年で五年目を迎えました。

私は活動報告を聞いて、以下のような情景を思い浮かべました。

 

キャンプファイヤーのとき、中央に薪が組まれます。

周りは暗く、隣の人の顔もよく見えません。

誰かがその薪に小さな火を入れると、最初は小さかった炎はだんだん大きくなり、暗闇を照らしていくような存在になります。

そしてお互いの顔が見えるようになり、隣の人と手をつなぎ、交流を深めていく。

大袈裟な表現かもしれないのですが、同会はまさにその炎のような存在なのではないかと私は思いました。

 

今回の活動報告程度の炎では同会はまだまだ満足していません。

将来の展望として、

『木材エネルギーの最先端地域、美和』

『お年寄りが元気な美和』

という表現を使っていました。基本姿勢は『自立』とのことです。

同会は前へ前へと進んでいくでしょう。今後もその活動からは目が離せません。

 

※ 関連サイト

森と地域の調和を考える会

 

↓最後に『美和工芸ふれあいセンター』の写真を掲載します。

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これが市の施設だなんて、とても素敵ですね。

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