こんにちは。茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の松原 功(まつばら こう)がお送りします。
地域おこし協力隊として最終年度をむかえました。昨年度(2019年度)の活動を振り返るとともに、最後の1年の活動を全5回でまとています。今回は2年目(2019年度)におこなった市内森林の活用の主な活動を報告致します。
2年目(2019年度)の森づくり
主な取り組みとして以下のことをおこないました。
・森林ふれあい体験会の実施
・選木(皮を剥く木を選ぶ)、伐採、木材搬出などの森林内作業
・皮むきした杉の含水率(水分量)測定
・伐採した木材の製材
・杉を利用した木製品をつくる木工講座の受講
森林ふれあい体験会の実施
さまざまな人が森林とかかわる機会と森林について感じてもらう機会を提供する一環として「森林ふれあい体験会」を常陸大宮市鷲子でおこないました。
内容は「日本・世界の森林の話」、皮むき間伐体験、体験の感想をシェアしながらのウッドコースターづくりです。合計3日間開催し、一般参加者と協力者で合計20本ほどの檜の皮を剥きました。
良かった点として、皮むきの体験そのものが楽しい・またやりたいとの声が多く、また参加料をお支払いいただいたので、森林の新たな価値づくりの一歩となりました。
改善点として、本来であれば5日間の日程を予定していたのですが、2日間は参加者が募ることができなかった点です。開催場所、時期、時間帯、集客方法など原因は多々あると思います。多少変化をつけながら次回開催する時までに改善し、より多くの方に森林に来ていただきたいです。
選木(皮を剥く木を選ぶ)、伐採、木材搬出などの森林内作業
体験会用の選木と初年度(2018年度)に皮むきした杉を伐採し、搬出する作業をおこないました。
伐採に関しては試験的におこない、常陸大宮市諸沢で皮むきした杉3本を切り倒しました。2mの丸太にし、大小含めて26本の木材を生産。末口直径としては10cm~22cmになり、2割が小径木、残りが中程度の木材となりました。今後は加工を施し、利用していく予定です。
皮むきした杉の含水率(水分量)測定
常陸大宮市諸沢で上記の木を伐採する前に、皮むきした杉の含水率を計測しました。
皮むき間伐のメリットとして、天然乾燥が同時におこなえる点があります。皮むき後、約1年で木に含まれる水分が30%以下になることがわかりました。通常の生木では70%近くの水分が含まれています。正確には下の写真のように、皮むきから1年3か月と皮むきから半年と生木のデータを取得しています。1年3か月では27.5%、半年では41%、生木は68%となりました。
このことから、皮むきから1年も経てば葉っぱは枯れて落ち、さらに水分も抜けるので、木材自体の重さは軽くなり、伐採・搬出において利点があると考えられます。懸念すべきところは、強風などで倒木する恐れがある点です。2019年の台風19号での皮むきした杉の倒木は確認できませんでした。しかし、森林の場所や風向きなど条件がそろえば倒木のおそれは大いにあります。皮むきした木は必ず2年以内に伐採するなど条件を決め、リスクを最小限にすることで対応していきます。今後は検証を続け、メリットデメリットを報告していきます。
伐採した木材の製材
伐採、搬出した杉を製材してみました。本来であれば、製材屋さんに頼んで、やっていただくのがいいのかもしれません。が、いかんせん本数も少ない上に木も太くはないのでなんとか自分でできないかと考えた結果、チェーンソーで製材することにしました。
チェーンソーで製材する上で必要だったのでが、チェーンソー製材機です。持っているチェーンソーに取り付けるアタッチメントのようなものです。私はグランバーグ(Granberg)社製のスモールログミル(G777)を導入。フリーハンドではうまくいかないと思っていたので。
出来は私としてはかなり満足にできたなと思っています。少し時間はかかりますが、慣れれば難しい作業でもないのでこれはかなり使えると感じました。
ほかの方の口コミをみると、50cc以上のチェーンソーをおすすめしていますが、持っているのが30ccちょいなのでパワー不足を感じたのと、ガソリンの減りは早いです。あと切り終わったの木の表面は(最終的に何に利用するかにもよりますが、)加工は必要だと感じました。
総合的に満足度は高いです。
⑤杉を利用した木製品をつくる木工講座の受講
木工講座は受講をはじめたばかりなのでまだまだこれからですが、私が受けているところは杉を利用した木工が習うことができます。残念ながら市内ではないですが、しっかり技術を取得し、いつかは市内でも技術が披露できればと考えています。ちなみに場所は栃木県さくら市です。
以上が2019年度に取り組んだ森林関係の活動です。
他にも、
・市内の鷲子地区でおこなわれた植林に参加
・尺丈山の整備のボランティア
・昨年度もお世話になった山方林業研究会で炭焼きやマイタケの殺菌植菌作業
・林業とローカルベンチャーの先進地の岡山県西粟倉村の視察
・北海道でおこなわれた若手林業ビジネスサミット参加
などなど細かいことを含めると多くの経験を積ませていていただきました。感謝です。
次回から狩猟関係の報告をお送りします。最後までお読みいただきありがとうございます。
地域おこし協力隊って何なの?という方のために実態を書いています。是非ご覧ください!