茨城県常陸大宮市地域おこし協力隊の間瀬です。
常陸大宮市のお祭りの一つ『上小瀬の立野神社祇園祭』へ行ってきました。
日時は2016年6月11日13~21時、緒川地域、上小瀬地区の立野神社で行われました。
まずはお祭りについて少々お勉強してみます
上小瀬の祇園祭は、
「ソイヤ、ソイヤ!」(神輿を揺らさない)
ではなく、
「えっさ、ほいさ!」(神輿を揺らす)
のお祭りです。
今までなんとなく観ていたお祭り。担ぎ方にも違いがありました。
祀られている神様はスサノオ大神(=素戔男尊(スサノオノミコト))です。
スサノオ大神はイザナミ、イザナギ夫妻の末子であり、天照大神の弟にあたります。
スサノオ大神は荒ぶる神様として知られており、粗暴な行為によって姉である天照大神が天岩戸に隠れてしまったり、出雲国ではヤマタノオロチを退治したりという勇敢な話が残っています。
神輿を激しく揺らすことで荒ぶる神様をお呼びして、罪・穢・災・厄を祓い清めるお祭りです。
では、その荒々しいお祭りを観に行きましょう
上小瀬の中心部ではのぼりが立ち並んでいます。
出社式典です。
宮出しです。
男たちの勇ましいこと勇ましいこと!
私も担ぎ手にならないかというお誘いがありましたが、断って正解でした。彼等の力強さについていく自信がありません。
山車です。
笛の音の美しいこと美しいこと!
ホースで神輿に向かって水をまいています!
いいですねー。今日は暑いですからね。やんちゃなスサノオ大神もお喜びのはずです!
上小瀬の宿地内に入ります。
私はここで暑さに負けました。神輿を追うことをやめ、休憩します。
夕方になりました。神輿が立野神社へ戻ってきました。
暴れています。なかなか着座しません。
しませんねー。
やっと着座しました。
10分くらいは暴れていたと思います。
おまつり広場プログラムです。
緒川げんき保育園・げんき太鼓クラブ
子どもたちが何かをやっている姿って微笑ましいですよね。自分が大人の立場になってやっと分かりました。
夕方の風景。
夜になりました。
ステージは大人の世界へ。
芸人の美川憲太郎さん。
歌が非常に上手いです。昨年に引き続き二回目の招待とのことで、皆様好評のようです。
アンコールの声に対しては、
「あんこは売らないのよ」
「マンホール?」
という鋭い切り返しで応えます。
写真に残してはいませんが、さゆりという芸人さんも、あまりお上品ではないネタ(=下ネタ)を連発して会場を盛り上げていました。
神輿の担ぎ手である屈強な男性を誘惑したりするネタは、まさに大人の世界。
私はその様子を眺めて大うけです!
この様子を見て、きっとスサノオ大神もお喜びになっているかもしれません。なにせ男の神様ですから!
いよいよクライマックス
夜の鳥居です。
抽選会も終えました。いよいよ神輿がお帰りになります。宮入りです。
進めー。
うおー、こっちにくるー!
あれー、そっちは違う方向ですよー。
今度は間逆の違う方向へー。
いよいよ、いくかー。
いかなーい!
いけー!
早くいけー!
やっと、いったー!!!(笑)
行きそうで行かない。お笑いさながらのボケとツッコミ。なかなかオチない漫才の絶妙のひっぱり。わずか五十メートルの距離を進むのに30分もかかっています。
この会場において、
「早く進め!(笑)」
は最高の褒め言葉でしょう。
本社の前まで来ても、なかなか着座しません。
「世話人も加わって押さえてください!」
という声が聞こえてきます
いやいや、自分たちの意思で暴れているんでしょ(笑)
と頭の中で何度もツッコミつつ、このくだりを楽しむのがお祭りなのだなと実感することもできました。
左に行ったりー。
右に行ったりー。
また左へー。
おっとっと、あぶなーい。
着座させようとする人と、まだまだ着座させないという人とのせめぎ合い。
「いつ終わるんだよ!」
内心そう思いつつも、皆さん楽しんでいるご様子です。
私もその延々と続くやりとりを楽しませてもらいました。
ここまでやれば、きっとスサノオ大神もお喜びになっているはずです。なにせ荒ぶる神様ですから。
後日、立野神社の神職の方に伺った話によると、神輿の一連の行為は、世話人と担ぎ手の駆け引きとのことでした。
スケジュールのとおりにお祭りを遂行する役目の世話人。
まだまだ担ぐ元気が残っていて、すんなりと担ぐことをやめるわけにはいかない担ぎ手。
お互いの面子のぶつかり合いだったのですね。
そういった話を聞く前に観た当日の様子は『せっかく来ていただいた神様を簡単に帰すわけにはいかない』とか『スサノオ大神は荒々しくてなかなか言うことをきいてくれない』とかを表現しているようにも思えました。
というところで、スサノオ大神は無事にお帰りになりました。本社前では20分ほど格闘していました。
いやあ、楽しかったので来年も観に行きます!
ちなみに停めておいた車は、帰る頃には虫がいっぱいでした(泣)
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