こんにちは、岩崎です。
とうとうこの時期がやってまいりました!
今年は3年に1度の伝統行事、西塩子の回り舞台の開催年です。8月27日から、その地鎮祭及び組立作業が始まりました。
今は切り出した竹を屋根に乗せたところです。竹の長さは全て一緒なわけではありません。一本で隅まで届くものもあれば、届かないものもあります。届かないものはもう片方から別の竹を乗せて調整するそうです。竹は毎回、開催年に切り出すので、毎回異なるものが使われます。なので、屋根の角度は毎回異なるそうです。
そういった違いが見えてくるのも、最初から最後まで手作りの行事ならではかもしれませんね。毎回異なる屋根の角度も、自然の営みとともにあるからこそ見えるものかもしれません。
▲9月10日現在、ここまで組み立っています。花道の形も見えてきましたね。
組み立ての様子は随時掲載しておりますので、詳細はこちらをご覧ください。今回の記事では、回り舞台とはどういったものかをメインに書きます。
そもそも、「西塩子の回り舞台」とはどんなお祭りなのでしょうか。
西塩子の回り舞台とは?
常陸大宮市の西塩子地区にある組み立て式の舞台で、農村歌舞伎が繰り広げられます。「西塩子の…」と地区名が付けられているところが地域性がある感じがしますね。西塩子以外でも、門井や下桧沢など常陸大宮市内には回り舞台が現存されているところがあります。行事として行われているのは市内では西塩子だけかもしれません。
話を西塩子の回り舞台に戻します。舞台で行う歌舞伎の演目はもちろん、舞台も土台からステージ、小道具まで全て手作りの、常陸大宮市の大宮地域にある西塩子で3年に1度行われる伝統行事です。この行事の歴史は古く、江戸時代後半の文政3年(1820)に作られた大幕が現存しています。
さて、「歌舞伎」は身近で聞く言葉ですが、「農村歌舞伎」とは一体何でしょうか?
「農村歌舞伎」とは?
「歌舞伎」というと歌舞伎の役者さんが演じるイメージですが、この舞台はそこに住む住民が役者となって演じます。歌舞伎座みたいな所は都市にあるイメージが強いのですが、たまに、歌舞伎役者が出張サービスのような形で農村に来ることもあったようです。
そこで、農民たちは思いつくのです。
”私たちで歌舞伎の舞台を作って、そこで歌舞伎を演じてみよう”
そうして生まれたものが組み立て式の舞台です。組み立て式なので、解体すれば他の所に運んでそこで実施することもできます。”リムーバブル歌舞伎舞台”っていうイメージでしょうか。舞台から演目まで全てが手作り、プロの役者ではないけれども、みんなで歌舞伎を演じてそれをみんなで楽しみたい、そんな気持ちで昔の人は回り舞台を作ってみたいと思うようになったのかもしれませんね。
”西塩子の回り舞台”の告知♪
この西塩子の回り舞台の公演日は10月15日です。
公演日にいらっしゃれない方も、舞台ができていく様子を見る事はできますので、是非組み立ての様子を見学にいらして下さ~い♪(^^)
ただし、9月16日まで組み立て作業はお休みになります。17日から再開されます。これから、舞台に菰がかぶせられたりするそうです。出来上がりが楽しみです♪
後編は来月、本番が近くなったら執筆予定です。それまで暫しの間、お待ち下さい。